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自民・塩谷氏が離党 議員活動は無所属で継続【裏金事件】

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、安倍派の座長を務めた塩谷立氏(衆院比例東海)は23日、党から科された離党勧告処分に従って離党した。離党届が受理された後、国会内で記者会見した塩谷氏は「無所属の議員として、政治活動を続けていく」との意向を表明した。次期衆院選には「しっかり挑戦していこうという気持ちだ」と出馬に意欲を示した。

自民党を離党し、記者会見する塩谷立氏=23日午後、国会
自民党を離党し、記者会見する塩谷立氏=23日午後、国会
自民党を離党し、記者会見する塩谷立氏=23日午後、国会
自民党を離党し、記者会見する塩谷立氏=23日午後、国会
自民党を離党し、記者会見する塩谷立氏=23日午後、国会
自民党を離党し、記者会見する塩谷立氏=23日午後、国会

 塩谷氏は会見の冒頭で「国民の皆さんをはじめ、多くの方々に大変ご迷惑をかけた。改めて心から深くおわびする」と陳謝した。「約30年間、自民党議員として努めてきた。誠に残念だ」と党への愛着をにじませる一方、「事実に基づいた公平公正な判断がされなかった」「(処分決定までの)プロセスに疑問を持たざるを得ない」といった不満の言葉も繰り返した。
 今後については「こういう形で終わるのは、自分としては納得いかない。経験を生かし、できる限りのことをしたいと思う。積み上げてきたものもある。地元の代表としての役割は果たしていく」と強調した。
 支援者からは次期衆院選に関して「選挙事情を考えると、どうなのか」「逆風の中で大丈夫か」との声も寄せられていると明かしつつ、「そういった意見も含めて最終的に判断するが、(選挙に)出る覚悟で努力をしていく」と述べた。
 将来的な復党の意思があるかを問われると「離党届を出したばかりで、全く考えていない」と説明した。
 事件を受けて自民の党紀委員会は今月4日、党則に基づき安倍、二階両派の計39人の処分を決めた。安倍派の事実上のトップだった塩谷氏と参院側会長だった世耕弘成氏の2人は、この中で最も重い離党勧告とした。世耕氏が同日離党したのに対し、塩谷氏は「事実誤認がある」などと訴え、12日に再審査を請求。党が16日に「相当の理由が認められない」と判断して却下し、処分が確定していた。
(東京支社・関本豪)
地元の浜松市民「当然」「遅すぎる」 次期衆院選対応は意見分かれる  自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、離党勧告処分を受けた塩谷立氏(衆院比例東海)が勧告を受け入れて離党届を提出した23日、地元の浜松市民からは「当然だ」「遅すぎる」などと厳しい声が飛んだ。一方で、長年の支援者からは依然、党執行部に対する怒りもにじむ。次期衆院選への対応は支援者で意見が分かれた。
 「裏金は事実なのだから金額は関係なく、離党は当然。議員も辞めるべきだ」。50代の男性会社員は厳しい口調で訴えた。これまでは自民党を支持してきたが、裏金事件を通じて「政治と塩谷さんへの不信感が高まった。責任は大きい」と切り捨てた。会社経営の60代女性も「収支不記載は一般ではあり得ない。再審査を求めたことも納得できない。離党は遅すぎる」と怒りをあらわにした。
 一方で同情する声もある。岸田勝彦後援会長は処分基準が示されず、岸田文雄首相の責任が問われていない点を挙げて「再審査請求は間違っていない」と指摘。「除名はありえない。離党の選択しかなかった」と冷静に受け止めた上で「実態解明がされていない状態で処分を決めている。党執行部には不信感がある」と語気を強めた。
 次期衆院選について岸田会長は塩谷氏に対し、後援会幹部らの意見を確認した上で判断するよう伝えたという。支援者の70代男性は「党を離れても頑張ってほしい。出るべきだ」と求める。対して別の70代男性は「無所属では選挙区で勝てる可能性は低く、比例復活もない。早めに後進に道を譲るべきだ」。市議の1人は「これまでの政治実績が無駄にならないよう、静かに身を引くのもいいのでは」と語った。

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