テーマ : 新聞一面掲載記事

大自在(4月22日)三遠

 男子プロバスケットボールの最高峰B1リーグ中地区で、三遠ネオフェニックスが初優勝を果たした。略称は「三遠」。2016年のリーグ発足後、本拠地戦は愛知県東三河を中心に静岡県遠州でも組まれている。
 ただ、「三遠」と聞いてもバスケファン以外では、どこのチームか見当がつかない人が多いのでは。「三遠」を知らなければ、「三遠南信」も分からない。
 地元でも「三遠南信」の認知度が高くないのは、19年度に浜松市が、21年度には愛知県豊橋市が実施した市民アンケートの結果が示している。質問の仕方は異なるが、「三遠南信」を知らなかったとの回答が浜松市でほぼ3割。豊橋市では4割を超えた。
 三遠南信は東三河、遠州、長野県南信州の県境を越えた地域の名称。39市町村の行政と経済団体などで構成する官民組織が、浜松市と長野県飯田市を結ぶ三遠南信自動車道の早期全線開通を目的に活動する。飯田市に駅ができるリニア中央新幹線の早期実現も後押しする。
 こうした新たな交通網の整備を踏まえた地域活性化策として観光客誘致や移住促進にも連携して取り組む。人を呼び込むには「三遠南信」の認知度アップが前提となるのは言うまでもない。
 男子バスケは、日本代表がパリ五輪の出場権を自力でつかみ、人気が高まっている。B1リーグの三遠は年間王者を競う5月のチャンピオンシップに臨む。遠州も東三河も徳川家康ゆかりの地。頂点に立って、「三遠」の名を天下に知らしめてほしい。「三遠南信」の認知度向上にも貢献することになろう。

いい茶0

新聞一面掲載記事の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞