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祈る 語り継ぐ 能登にも思いはせ 東日本大震災 きょう13年

 東日本大震災は11日、発生から13年となった。地震発生時刻の午後2時46分に合わせ、各地で犠牲者への祈りがささげられる。被災地では10日も遺族らが亡き人に手を合わせ、能登半島地震にも思いをはせた。

宮城県名取市閖上地区で、慰霊碑に刻まれた弟夫婦の名前をなでる今田勝男さん(左)夫婦=10日午前
宮城県名取市閖上地区で、慰霊碑に刻まれた弟夫婦の名前をなでる今田勝男さん(左)夫婦=10日午前

 宮城県名取市の閖上地区で弟夫婦を亡くした同県岩沼市の今田勝男さん(87)は10日、慰霊碑の名前をなでて「今年も来たよ」と語りかけた。地区では津波被害から立ち直った朝市が開かれ、大規模火災に見舞われた石川県輪島市の輪島朝市への義援金を受け付けた。
 宮城県山元町の実家で父が犠牲になった岩佐美香さん(40)は寺の法要に参加。13年間を振り返り「涙の出ることが多かったが、ようやく落ち着いてきた」と話した。
 東京電力福島第1原発事故で全町避難を強いられた福島県双葉町では、震災前にあった建物を再現したジオラマが展示された。津波で三男忍さん=当時(27)=を亡くし、町外で暮らす高玉正祐さん(70)は「事故の影響ですぐ捜しに行けなかったことが今でも残念」と胸の内を明かした。
 岩手県釜石市の鵜住居地区では、地元の釜石高2年の佐々有寿さん(17)が、遺族や家族に聞いた話を基に語り部活動をした。「未来の命を守るため、記憶がなくても、知識や教訓を語り継いでいかなければいけない」と誓った。

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