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浜松新野球場の整備、主張に変化 大村氏「3案にこだわらない」/鈴木氏「開放型ドーム一つの案」【静岡県知事選】

 静岡県が浜松市の遠州灘海浜公園篠原地区に整備を予定する新野球場を巡って、知事選(9日告示、26日投開票)に立候補を表明している元副知事の大村慎一氏(60)と前浜松市長の鈴木康友氏(66)の主張が変化している。大村氏は1日、「ドームありきの議論はストップすべきだ」と述べ、開放型ドームを訴えている鈴木氏との違いを打ち出した。一方、鈴木氏は同日、開放型ドームは「一つの提案」とし、あくまで公園整備の全体構想を丁寧に議論するとの考えを示した。

新野球場整備の方針について、フリップを手に説明する大村慎一氏=1日午前、静岡市葵区
新野球場整備の方針について、フリップを手に説明する大村慎一氏=1日午前、静岡市葵区
スタートアップ支援に関する法人の設立イベントに出席した鈴木康友氏(中央)=1日午後、静岡市葵区
スタートアップ支援に関する法人の設立イベントに出席した鈴木康友氏(中央)=1日午後、静岡市葵区
新野球場整備の方針について、フリップを手に説明する大村慎一氏=1日午前、静岡市葵区
スタートアップ支援に関する法人の設立イベントに出席した鈴木康友氏(中央)=1日午後、静岡市葵区

 両者は出馬会見などで新野球場建設に推進の立場を表明している。主張に大きな違いは見えなかったが、県議会で賛否のあるドーム型野球場整備の是非が対立軸になる可能性もある。
 大村氏は静岡市葵区での事務所開きで、フリップを使って支援者らに野球場整備に対する考え方を示した。これまでは県が素案に盛り込んだ3案を基本に検討するとしていたが、この日は「ゼロベースで考える」と述べ、ドーム型に否定的な論調に変わった。利用目的や整備費用を整理するなど議論を再検証し、3案にはこだわらないとした。その上で、「県民の声を聞き、最適な野球場を最速で整備する」と述べた。
 鈴木氏は同区で開かれた、自身が代表に就任したスタートアップ(新興企業)や起業家の支援団体の設立イベントに出席。イベント終了後の取材に「ドームを中心としたボールパークを県、浜松市、民間が一緒に整備する」との考えを改めて示した。記者会見などで主張してきた開放型ドームは「開発費や維持費を削減するための一つの提案」と説明し、「ドームありきとか、(県の)3案の中から決めるような乱暴な議論ではなく、丁寧に議論を進めていく必要がある」と微妙に補足した。
 一方、共産党県委員長の森大介氏(55)は一貫して野球場の建設そのものに反対を主張。建設費が膨大な野球場ではなく、「住民が自由に使える運動公園」などを求める声があると計画の見直しを訴える。

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