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浜松新球場、供用開始32年度以降に 静岡県、規模と構造絞り込み難航も

 静岡県が浜松市中央区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備を予定する新野球場の供用開始時期を、最短で2032年度と見込んでいることが1日、分かった。国の事業認可と用地取得に約3年、設計と施工に約5年かかる。ただ、規模や構造の絞り込みは難航が予想され、想定通りに進むかどうかは見通せない。建設資材の高騰や深刻化する人手不足も課題になりそうだ。

県が想定する新野球場の事業スケジュール
県が想定する新野球場の事業スケジュール
新野球場3案の規模・構造
新野球場3案の規模・構造
県が想定する新野球場の事業スケジュール
新野球場3案の規模・構造

 同日公表した基本計画の素案で事業スケジュールを示した。県はこれまで具体的な供用開始時期を明らかにしていなかった。
 県は野球場の規模と構造を①1万3千人の屋外型②2万2千人の屋外型③2万2千人の多目的ドーム型―の3案に絞り、素案に盛り込んだ。近くで産卵するアカウミガメに影響を及ぼさないよう屋外型の2案は照明設備を設けない。概算事業費は70億~370億円、大規模改修費を除く年間維持管理費は0・5億~1・3億円。いずれも22年度に算出した数字で、直近の物価高騰などの影響は織り込んでいない。
 県は3案を併記したまま今年6月ごろに基本計画を取りまとめる方針で、用地取得と並行して1案への絞り込み作業を進める。民間の資金やノウハウを生かすPFIと呼ばれる手法を導入し、財政負担の軽減を図る。
 野球場を巡っては、浜松市や浜松商工会議所などでつくる期成同盟会が、天候にかかわらずさまざまなイベントが開催可能な2万2千人の「多目的ドーム型スタジアム」を要望。一方、建設費や利用料金が高額になるとしてドーム型の整備に慎重な声も根強い。県議会でも意見の隔たりがあり、合意形成には時間がかかりそうだ。
 (政治部・森田憲吾)
パブコメ30日まで  県は1日、遠州灘海浜公園篠原地区の基本計画素案に対するパブリックコメント(意見公募)を始めた。30日締め切り。
 メインの野球場のほかに二つのサブ球場と屋内運動場を設ける。学生やスポーツチームの合宿を受け入れ可能な施設、ボルダリングやBMX、スケートボードなどができるスポーツ広場も配置する。駐車場は常設1500台分、臨時千台分を確保するとした。意見は電子メールやファクス、郵送などで提出する。
 問い合わせは県公園緑地課<電054(221)3494>へ。

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