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大自在(2月24日)あれから34年

 日本最初の元号は「大化」。645年の大化改新でなじみがある。大宝律令の「大宝」(701~703年)以降は切れ目なく元号が使われている。
 きのうの本紙1面は平成が始まった1989年に関係するニュースを2本報じた。東証株価がこの年の年末に付けた最高値を更新。もう一つは、この年1月に静岡地裁で再審無罪判決を受けた「島田事件」の赤堀政夫さんの訃報。94歳。
 明治以後は天皇代替わりで改元されるが、それまでは大地震や飢饉[ききん]といった凶事、吉兆などさまざまな理由で改められた。平成元年は消費税がスタート。リクルート事件で政治不信が高まり竹下内閣総辞職、参院選で与野党議席逆転。海外では天安門事件、ベルリンの壁崩壊、国連で死刑廃止条約採択と、改元のほかにも歴史的ニュースが続いた。
 株価は翌年のバブル崩壊から長期低迷の後、2013年の大規模金融緩和などを弾みに上昇基調に。最高値更新の待ち遠しさは「失われた30年」の恨めしさだった。赤堀さんは1954年に別件逮捕。再審無罪で釈放され「35年は本当に長い」と語ったと本紙記事にある。
 ちなみに89年の新語・流行語大賞は「セクシャル・ハラスメント」「オバタリアン」。長い年月変わらないことを十年一日と言うが、30年たっても改善されない事例が後を絶たない。
 大化改新は流血の政治改革だった。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、政治倫理審査会が来週開催の見通しだ。自分たちが作った規正法をなぜ守らないのか、国民の疑念は解消されるか。

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