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静岡県幹部人事 知事公室長に縣氏 南アルプス担当部長に渡辺氏

 静岡県は18日、2024年春の定期人事異動(4月1日付)のうち、幹部(部長、局長、課長級)人事を内示した。対象は前年度比40人増の394人で、ほぼ例年並みの規模。重要課題への対応のため、六つの部長級ポストを新設する。県議会から指摘された川勝平太知事との情報共有強化のため、知事直轄組織に新設する知事公室長に縣茂樹人事委員会事務局長を起用。リニア中央新幹線静岡工区の着工を巡り、県が課題とする南アルプスの環境保全策の強化や国のモニタリング会議などに対応する南アルプス担当部長を設け、渡辺光喜くらし・環境部参事(南アルプス担当)が就く。
 県議会で答弁者となる部局長など19人のうち、留任は5人で、14人が新任となる。人選は経験や専門性を考慮した。
 行政運営における情報共有・調整機能強化を人事異動の狙いの一つに掲げた。知事公室長に加え、部局横断的な政策調整や新たな政策の企画立案のため、知事直轄組織の政策推進担当部長の下に政策調整監を設置し、餅原太一郎経済産業部産業革新局長を登用する。同日の記者会見で川勝知事は、知事公室長の役割について「知事などの管理や調整を担い、直接戦略と関わらない」とし、県議会の反発で約2年間配置しなかった知事戦略監との違いを強調した。知事公室長を含め、県議会との調整は副知事や同組織の部長級が担うとの認識も示した。
 交通基盤部長に森本哲生危機管理部長兼危機管理監代理、後任には酒井浩行交通基盤部理事(土木技術担当)兼危機管理部理事(防災技術担当)が就く。
 役職定年となる部長ポストには、リニア問題を主に担当するくらし・環境部長に池ケ谷弘巳くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)、経済産業部長に村松毅彦スポーツ・文化観光部長が回り、後任に都築直哉スポーツ・文化観光部部長代理、健康福祉部長は青山秀徳健康福祉部部長代理が、それぞれ部内で昇格する。デジタル戦略担当部長には、山田琢也くらし・環境部長代理を充てる。
 人事や組織管理を担う経営管理部は効率的な執行体制を試行で「局」を廃止する。経営管理部長に鈴木学スポーツ・文化観光部理事兼スポーツ局長を抜てきした。部内を統括する経営管理部次長を設け、村松正章経営管理部理事(地方分権・大都市制度担当)兼財務局長が就く。人事委員会事務局長には田中真生経済産業部政策管理局長が昇任し、部長級は女性3人となった。
 女性管理職は前年度から5人増の118人と過去最多を更新した。管理職に占める女性の割合は15・0%で、前年度比0・8ポイント上昇した。

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