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紅こうじ摂取 1人死亡 小林製薬発表 サプリ3年間購入

 小林製薬(大阪市)は26日、健康被害の恐れがある「紅こうじ」のサプリメントを約3年間継続して摂取したとみられる1人が腎疾患で2月に死亡していたと発表した。2021年4月~24年2月に同社製造のサプリ「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」計35袋を通信販売で定期的に購入していた。摂取と死亡との因果関係が疑われるとして調べる。
 一連の問題で、死亡につながった可能性がある事例の判明は初めて。最初の被害把握から使用停止の呼びかけまで2カ月超を要し、サプリ摂取後に入院した人も70人超に増える見通しとなった。消費者庁によると、15年の機能性表示食品の制度開始後、メーカーが健康被害を公表して自主回収する最初のケース。国は届け出がある全ての機能性食品6千件超を緊急点検する。
 武見敬三厚生労働相は26日、食品衛生法上の妥当性を確認するため、小林製薬の担当者にヒアリングしたと明らかにした。林芳正官房長官は厚労、農林水産両省や消費者庁などによる連絡会議の開催を検討すると説明した。
 小林製薬は紅こうじの成分を含むサプリ8件に関し、機能性表示食品の届け出を撤回すると国に報告した。想定と異なるカビ由来の成分が原因となった可能性があるが、特定できていない。
 小林製薬によると、23日に遺族から死亡に関する情報がメールで寄せられた。膨大な問い合わせに対応が追いつかず、25日になって死亡を把握したという。問題の紅こうじは小林製薬の大阪工場(大阪市)で製造された。同社は26日遺族に面会。サプリの摂取状況や詳細な症状の把握を急ぐ。
静岡県「被害確認されず」  小林製薬の紅こうじを使ったサプリメントを摂取した人が腎疾患などを発症した問題で、県は26日、県内でこれまでに健康被害は確認されていないと明らかにした。県衛生課は「製品を購入した人は直ちに喫食を中止し、身体に異常がある場合は医療機関を受診するか最寄りの保健所に相談してほしい」と呼びかけている。

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