テーマ : 新聞一面掲載記事

離婚後の「共同親権」導入 改正民法成立 2年以内に施行

 離婚後共同親権の導入を柱とする改正民法が17日、参院本会議で自民、公明、立憲民主、日本維新の会各党などの賛成多数で可決、成立した。1947年から続く離婚後の親権制度の在り方が初めて見直される。離婚の増加などで家族関係が多様化する中、子の利益の実現のため、別れた後も父母双方が養育に関わることができるようにするのが狙い。=関連記事3面へ

離婚後の親権のイメージ
離婚後の親権のイメージ

 ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の被害継続への懸念は根強い。父母が折り合えない場合に調整に当たる家裁の態勢整備が、喫緊の課題になる。公布から2年以内に施行する。2026年になるとみられる。これまで離婚後は父母どちらか一方を親権者にすると定めていたが、共同親権も選択可能となり、父母の協議で決める。意見が対立した場合は家裁が判断するが、DVや虐待の恐れがある場合は単独親権と規定。既に離婚した父母も共同親権への変更申し立てができる。
 共同親権下でも「急迫の事情」や「日常の行為」に当たる行為は、片方の親だけで意思決定ができる。ただ、用語の定義が不明瞭との指摘があるため、政府は内容の具体化を進める。
 国会審議では、不本意な合意を強いられる可能性が懸念され、付則に「父母の真意を確認する措置を検討する」と盛り込まれた。施行5年後の見直し規定も追加した。
 採決では、ほかに国民民主党などが賛成し、共産やれいわ新選組は反対した。

 親権 未成年の子に対し、身の回りの世話・教育といった身上監護や、財産管理をする権利で、義務の性質もあるとされる。現行民法では、婚姻中は父母が共同で親権を持ち、離婚後は父母の一方を親権者にすると定めており、片方しか親権者になることはできない。法務省によると、1960年に父母が離婚した未成年の子どもは約7万人だったが、2022年は約16万人に増加。政府はこうした社会状況に鑑み「離婚後も父母双方が適切な形で養育に関わり、責任を果たすことが望ましい」と説明している。

いい茶0

新聞一面掲載記事の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞