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浜岡原発 再稼働容認49% 7年前から急伸 半数は慎重姿勢 御前崎市民調査

 東日本大震災に伴う福島第1原発事故を受け、政府要請で中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が全炉停止してから14日で13年がたつ。静岡新聞社が御前崎市民を対象に浜岡原発に関するアンケートを実施したところ、「再稼働すべき」が49・0%で約半数を占めた。7年前の前回調査では再稼働容認は少数派だったが、15・8ポイント急伸。再稼働が必要な理由として地元経済効果の期待などを挙げた。一方、「現時点では判断できない」が27・1%、「再稼働すべきでない」23・9%と続き、「判断できない」も合わせると約半数の市民が再稼働に慎重な姿勢を崩しておらず、再稼働への意見が割れている現状が浮かんだ。

原発再稼働の賛否割合と対比
原発再稼働の賛否割合と対比

 調査は4月15日から21日まで同市内の店舗や市役所で対面で行い、406人から回答を得た。複数選択可で、再稼働の賛成理由は「地元経済への影響が大きいから」52・3%、「エネルギー安定供給のために必要」49・7%だった。「再稼働すべきでない」との回答者では「安全対策が不十分」が57・7%、「南海トラフ地震の想定震源域の真上にある」が48・5%を占めた。
 原発停止に伴う生活や仕事への悪影響については26・8%が「ある」、12・6%が「今後長引くと悪影響出る可能性がある」と答えた。原発の長期停止が電気代高騰や地元経済の停滞を招いているとの見方が多く、「家計が圧迫されている」(60代女性)、「原発立地交付金が減り、市の財政悪化で行政サービス低下につながるのでは」(70代男性)との声も聞かれた。
 浜岡原発の原子力災害時を想定した広域避難計画に関し、南海トラフ巨大地震に伴う複合災害と単独災害の避難先をそれぞれ知っているかも尋ねた。「両方知っている」は38・2%、「どちらか一方は知っている」は17・5%にとどまり、認知度が低い実態が浮かび上がった。
 また、4月に行われた同市長選の期日前投票所で静岡新聞社が有権者400人に実施した出口調査でも、原発再稼働に賛成と答えた割合は49%だった。
 (御前崎支局・市川幹人)

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