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認知症 60年に645万人 政府推計 高齢者6人に1人

 政府は8日、認知症の高齢者数の推計を公表した。2025年は471万人で、65歳以上の人口がほぼピークを迎える40年に584万人となる。さらに60年には645万人に達し、高齢者の17・7%(5・6人に1人)を占める。予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の高齢者は60年に632万人。認知症との合計は1277万人で、高齢者の2・8人に1人に当たる。長寿化が進んで認知機能に障害がある人の割合が高まり、介護サービスの充実や予防・治療体制の強化が急務となる。

認知症と軽度認知障害の高齢者推計
認知症と軽度認知障害の高齢者推計

 推計の公表は15年1月以来。MCIの推計は初めて。厚生労働省の研究班が推計をまとめ、政府の認知症施策推進関係者会議に示した。政府は今回の推計を踏まえ、今年1月施行の認知症基本法に基づき、施策の基本計画を今秋に決定する。認知症の人や家族の意見も反映させる。1人暮らしの高齢者が増加することも予想され、超高齢化社会を見据えた施策が求められる。
 前回の推計では、認知症の人は25年に675万人、60年に850万人としており、今回の推計ではいずれも200万人ほど減少した。研究班は要因として、認知症の発症リスクとの関連が指摘される喫煙や食事といった生活習慣の改善が進んだことが考えられるとしている。
 今回の推計は福岡県久山町など全国4地域に住む65歳以上の男女を対象にした調査を基に、25年から60年まで5年ごとの全国の人数を算定した。
 推計によると、認知症の人は30年に523万人、50年に586万人となるなど増加傾向が続く。認知症の手前の状態に当たるMCIの人は25年に564万人と試算し、40年に612万人、50年に631万人となる。

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