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中ロ、軍事協力拡大 首脳会談で共同声明 米けん制、関係強化

 【北京共同】ロシアのプーチン大統領は16日、北京を訪問し、中国の習近平国家主席と会談した。両首脳は「新時代の全面戦略協力パートナーシップ関係」の深化に向けた共同声明に署名。合同演習実施を含む軍事分野の協力拡大で一致した。中ロ国営メディアが報じた。今年で国交樹立75年の節目を迎え、外交や安全保障、経済をはじめ各分野で協力を強化。台湾問題やウクライナ侵攻で対立する米欧をけん制する狙い。

中ロ首脳会談の骨子
中ロ首脳会談の骨子
中ロ首脳会談の骨子

 プーチン氏は大統領として通算5期目に入った後の初外遊で、訪中は昨年10月以来。習氏も昨年3月に国家主席として3期目入りを決めた後、初外遊でロシアを訪問した。相互訪問で連携を深めている。
 両首脳は少人数の首脳会談と、政府高官も交えた会談を開催。プーチン氏は「両国の協力は世界を安定させる」と主張。習氏は「ロシアの良き隣人、友人、パートナーでいたい」と述べた。貿易や環境保護などの分野で合意文書を交わした。
 共同声明はウクライナ危機は対話による解決が重要だと強調。共同記者会見で習氏は「欧州の平和のために建設的役割を果たしたい」と表明し、プーチン氏は「問題解決に向けた中国の提案に感謝する」と述べた。
 ウクライナ侵攻で米欧の制裁を受けるロシアは中国との貿易を増やす方針。米欧は中国が軍事転用可能な物資を輸出しロシアの防衛産業再建を支えていると批判するが、中国は中ロ貿易に問題はないと反論している。
 共同声明は、アジア太平洋や欧州に中距離核兵器を配備する米国の試みは中ロに直接の脅威だと非難。中ロを含む新興国が参加する「BRICS」などの多国間枠組みで協力するとして、米主導の国際秩序に対抗する構えを見せた。
 会見でプーチン氏は日米韓を念頭に、アジアでの閉鎖的な軍事同盟づくりは「極めて有害で非生産的だ」と中ロで反対する考えを示した。習氏は「世界の多極化と経済グローバル化」が中ロの戦略的選択だと訴えた。
 プーチン氏の訪中は2日間の日程。16日に李強首相とも会談した。新内閣からベロウソフ新国防相やラブロフ外相ら主要閣僚が同行した。

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