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二階氏 衆院選出馬せず 派閥裏金「私に全責任」

 自民党の二階俊博元幹事長(85)=衆院和歌山3区=は25日、党本部で記者会見し、派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、次期衆院選に出馬しない意向を表明した。離党はしない考えで、岸田文雄首相(党総裁)に不出馬の方針を電話で伝えたことも明らかにした。

記者会見する自民党の二階元幹事長。左は最側近の林幹雄元幹事長代理=25日午前、東京・永田町の党本部
記者会見する自民党の二階元幹事長。左は最側近の林幹雄元幹事長代理=25日午前、東京・永田町の党本部

 首相と二階氏は25日、党本部で会談。首相はこの後、首相官邸で記者団に「自民党の再起を強く促す出処進退だと重く受け止めた」と語った。
 二階氏は会見で、不出馬について「政治責任は全て監督責任者である私自身にあることは当然だ。自らの政治責任を明らかにする」と理由を述べた。
 裏金事件を巡っては、二階派の元会計責任者と、自身の秘書が政治資金収支報告書への不記載で立件され、1月に二階派の解散を決めた。二階氏は「政治不信を招く要因となったことを改めて深くおわびする」と述べた。
 党執行部は関係議員の処分を4月第1週にも決定する方針。今回の不出馬の判断に影響したかについては「影響はない。自ら決めたことだ」と否定。年齢は関係したかとの記者団の問いには「お前もその年が来るんだ。ばかやろう」と不快感を示した。
 区割り変更に伴う和歌山2区の後継については、「地元の判断に任せている」と述べるにとどめた。残りの任期は力を入れてきた国土強靱(きょうじん)化や2025年大阪・関西万博などに尽力する考えを示した。
 二階氏は1983年に旧和歌山2区で初当選し、当選13回。経済産業相や党総務会長などを歴任し、安倍、菅両政権で党幹事長を歴代最長の5年超務めた。

二階氏会見の一問一答  自民党・二階俊博元幹事長の記者会見での主なやりとりは次の通り。一部は同席した林幹雄元幹事長代理が回答した。
 「私が会長を務めていた派閥の政治資金問題が政治不信を招く要因となったことに、改めて深くおわび申し上げる。政治責任は全て監督責任者である私自身にある。本日、岸田文雄首相に次期衆院選に出馬しないと伝えた。後継候補は地元の判断に任せる」
 -野党は政治倫理審査会への出席を求めている。
 林氏「出席の必要がないと判断した。政治資金の使途など全てをつまびらかにして記者に報告している。政倫審に出なくても分かってもらえる」
 -党執行部が処分を検討している。今回の判断に影響したか。
 「影響はない。自らが決めたことだ」
 -意向を伝えた際の首相の反応は。
 「首相に聞いてください」
 -離党の考えは。
 林氏「ありません」
 -年齢の影響は。
 「年齢の制限があるか。おまえもその年、くるんだよ。ばかやろう」

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