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リニア、新野球場、原発…立候補表明の2氏、主な争点巡る違いは? 現時点で差異見えず、論戦に注目【静岡県知事選】

 静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)に立候補を表明している前浜松市長の鈴木康友氏(66)が19日、県庁で記者会見を開き、リニア中央新幹線整備や産業、防災など9分野にわたる政策骨子を明らかにした。15日に政策を発表した元副知事の大村慎一氏(60)とともに、出馬表明している新人2氏の政策がほぼ出そろった。主要課題を巡って現時点で両氏の政策や基本姿勢には大差がなく、短期決戦の論戦を通じて主張に違いが現れてくるかが注目される。

知事選立候補予定者の主な争点に対する考え・姿勢(19日現在)
知事選立候補予定者の主な争点に対する考え・姿勢(19日現在)

 全国的な注目を集めるリニア問題について、鈴木氏は「ずっと推進を主張してきた。どう課題を克服し、進めるかだ」と強調。希少植物の移植で種を残す手法を例示し、水資源確保や南アルプスの環境保全との両立を目指すとした。一方、大村氏も「リニア整備は日本、県の課題解決にもつながる」と推進の考え。水や環境、残土を巡るこれまでの議論や問題点を確認、点検し、地元やJR東海、国との対話を通じて解決するとした。
 県が収容人数2万2千人の多目的ドームと屋外型、1万3千人の屋外型の3案を示す浜松市の新野球場建設に関し、鈴木氏は「運営を含めてコストダウンが可能」として、開放型ドームの整備検討を主張した。大村氏も、軸とする球場のタイプには踏み込まないものの「必ず実行する」と整備を確約。地元の要望や県財政を踏まえて県の3案から絞り込み、運営方法やにぎわい創出も検討するとした。
 停止から13年が経過する中部電力浜岡原発の再稼働を巡っては、鈴木氏は、原子力規制委員会の新基準による判断を待ち、再稼働の可否を検討するとした。大村氏もエネルギー確保の重要性を指摘しつつ「安全性が何より重要」と述べ、両者ともに住民の安全性を最優先にする構え。
 川勝県政の継承は両氏とも否定。鈴木氏は「すべてゼロベース」と表現し、リニア問題も「いかに解決に進めるか、(川勝平太知事とは)やり方に違いが出る」とした。大村氏は、事業の継続性に配慮しつつ「(分断や対立を生んだ)川勝県政の手法は抜本的に変えていく」と語り、対話や連携を訴える。

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