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大自在(4月16日)熊本地震8年

 関連死も含めて276人が犠牲になった熊本地震の本震が起きて8年。今年も能登半島地震が発生するなど国内では地震災害が絶えない。改めて地震国に住む危険性を認識したい。
 熊本地震は2016年4月14日午後9時26分にマグニチュード(M)6・5の前震が発生。熊本県益城町で震度7を観測した。28時間後となる16日午前1時25分にはM7・3の本震が発生。益城町と西原村で震度7を観測した。M7・3は阪神大震災(1995年)と同規模の地震。
 二つの断層帯が連動して起きたとみられる。同じ地点で震度7観測が続いたのは史上初。激震が相次げば住宅へのダメージも大きかったはずだ。本震直後に被災地を訪れると阪神地域でかつて見たように全壊住宅が連なる光景が広がっていた。
 壊れたのは主に古い耐震基準で建てられた住宅。ところが、今年の能登でも同じ被害が繰り返されている。建て替えも耐震補強も進まなかったからだ。避難所の環境も阪神と熊本では大差なく感じた。能登の避難所ではどれほど改善されたのだろうか。
 住宅倒壊による圧死など熊本地震での直接死は50人。実に犠牲者の8割を関連死が占めた。関連死は発災後3カ月以内が多いとされる。能登では1月中旬から関連死は15人で抑えられている。過去の教訓が生かされて健康支援が進んだと思いたい。
 熊本県内のインフラ復旧は大きく進み、県の復旧・復興本部は今月5日で廃止された。県中部は現在、半導体工場進出で活況を呈している。能登でも早期の復興が実現するよう願いたい。

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