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静岡県知事選立候補表明3氏 県政課題で主張展開 リニア、新野球場整備…【動画あり】

 静岡新聞社は6日、知事選(9日告示、26日投開票)に立候補を表明している元副知事大村慎一(60)=自民党県連推薦=、前浜松市長鈴木康友(66)=立憲民主党、国民民主党、連合静岡推薦=、共産党県委員長森大介(55)=共産党公認=の新人3氏を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館に招き、リニア中央新幹線工事や浜松市の新野球場整備などの県政課題に対する考えを聞いた。各氏が従来より踏み込み、具体的な主張を展開した。

知事選告示を前に握手を交わす(右から)大村慎一氏、鈴木康友氏、森大介氏=6日、静岡市駿河区の静岡 新聞放送会館(写真部・坂本豊)
知事選告示を前に握手を交わす(右から)大村慎一氏、鈴木康友氏、森大介氏=6日、静岡市駿河区の静岡 新聞放送会館(写真部・坂本豊)

 リニア問題では、鈴木氏は「一番の問題は、県と流域市町、JRが意思疎通できなかったこと」と指摘。工事で下流域に影響が起きた場合に備え「補償を含めた責任を明記することができれば、流域市町も納得できる」と提案した。大井川の水や環境保全についても国会議と連携して前進につなげるとした。
 大村氏は、JR東海に整備のメリットを県に示すよう求め、大井川の水や環境の保全も妥協せず解決すると主張した。「長期にわたる事業で何が起きるか分からない。国にも第三者として担保してもらう」と述べ、「手順を踏みながら1年以内で結果を出す」と強調した。鈴木氏から「1年以内に工事着手を認めるのか」と質問されると「課題を確認し、一定の方向性のめどをつける」と答えた。
 リニア整備に反対の森氏は、JRが示す田代ダム取水抑制案が大井川水問題の解決策にならないとし、「大井川の水と南アルプスの環境を守ってほしいと声を上げていく」と述べた。
 浜松市の新野球場を巡り、大村氏は、整備の必要性を認めた上で、県が素案で示す3案のうち建設費370億円と試算された2万2千人規模のドーム型建設と運営コストを疑問視。「県3案を基本としつつ、ゼロベースで考える」と述べ、県民の意見を聞いて総合的に検討するとした。
 鈴木氏は「ドーム型であれば多目的に活用できる。安ければいいとはならない」と金額を前提とした議論に反論。球場単体ではなく「エリアを一体的に開発することが重要」との考えも示した。「県だけでなく、浜松市も一定の投資、責任は必要」と述べ、県、市、民間で役割分担について協議する調整会議を設置する意向を示した。市長時代からの考えの変化を大村氏に問われ「今までは要望する側。今後は球場の設置者として長期を含めた財政運営、コストダウンも含めて考える」と答えた。
 森氏は、整備予定地が津波想定浸水区域で、アカウミガメの産卵地でもあることを踏まえ、「人間や地域のエゴで生物に影響を与えていいのか」と建設中止を訴えた。

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3氏略歴  大村 慎一氏(おおむら・しんいち) 静岡市駿河区出身。東京大卒。1987年に旧自治省に入り、総務省消防庁国民保護・防災部長などを歴任。2009年に静岡県総務部長、10、11年に副知事を務めた。現在は静岡産業大総合研究所非常勤講師。60歳。

 鈴木 康友氏(すずき・やすとも) 浜松市中央区出身。慶応大卒。松下政経塾から企画会社代表取締役を経て、2000年から衆院議員を2期務めた。07年に浜松市長に初当選し4期16年務めた。現在はコンサルティング業代表、山梨県政策顧問を務める。66歳。

 森 大介氏(もり・だいすけ) 藤枝市出身。日本福祉大卒。障害者就労支援事業所に勤務し、1995年から共産党職員。党機関紙「赤旗」記者として9年間、静岡空港建設や浜岡原発の問題を取材。県書記長を経て、4月に県委員長に就いた。55歳。
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