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紅こうじサプリの死者、計4人に 小林製薬に相談「1万2千件」 株主総会で社長謝罪

 小林製薬の「紅こうじ」を使った機能性表示食品のサプリメントによる健康被害は28日、死亡との関連が疑われる事例が4人に拡大した。サプリを摂取した2人の死亡が新たに判明。26日に最初の死亡例が明らかになって以降、次々と死者数が増え続ける深刻な事態となっている。同社は大阪市内のホテルで定時株主総会を開催し、小林章浩社長が「被害の拡大防止と原因究明に全社を挙げて全力で取り組む」と謝罪。株主からは対応の遅れを指摘する厳しい声が飛んだ。

小林製薬の(左から)「紅麹コレステヘルプ」、「ナイシヘルプ+コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」
小林製薬の(左から)「紅麹コレステヘルプ」、「ナイシヘルプ+コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」

 厚生労働省によると、サプリの健康被害について同社に寄せられた相談件数は27日時点で約1万2千件。入院した人は重複計上を除いたため、これまでの106人から減って93人となった。
 小林社長らは29日午後に大阪市で記者会見し、遺族への聞き取り結果などを説明する見通し。
 厚労省は紅こうじ製品への対応を議論する会議で、同社の紅こうじ原料を使用している企業に対し、自主点検を依頼する案を示した。農林水産省は食品や流通などの関係業界に対し、サプリの在庫確認や回収への協力を文書で要請した。小林製薬は紅こうじ原料を供給していた取引先への補償を検討する。
 機能性表示食品の緊急点検を進めている消費者庁は、届け出をしている約1700事業者に、健康被害情報などを確認する質問状を送ったと明らかにした。
 新たに判明した2人の死亡例は、いずれも27日に遺族から小林製薬に連絡があった。1人は同社製造の「紅麹コレステヘルプ」を摂取した後に腎疾患の症状が出た状態で死亡し、もう1人も2021年以降に同じサプリを使用していた。死者の年代や性別、居住地は明らかにしていない。

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