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首相、今国会で規正法改正 裏金不記載 課税に消極的

 岸田文雄首相は5日の衆院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正を「今国会で実現する」と明言した。罰則強化や透明性確保が論点だが、具体的な言及はなかった。野党は裏金の収支報告書不記載は脱税の疑いがあると追及し、首相は課税に消極姿勢を示した。自民党は不記載があった議員名と訂正額の一覧を立憲民主党に提出。立民の岡田克也幹事長は「極めて不十分だ。何に使ったのかが書かれていない」と批判し、応酬となった。
訂正一覧 野党「不十分」  予算委は約1時間遅れで始まった。岡田氏は、二階俊博元自民幹事長が在任中に受け取ったとされる約50億円の政策活動費を問題視。「領収書のいらない巨額で合法的な裏金だ」と指摘し、使途公開を求めた。首相は「党の活動と関わりのある個人のプライバシーや企業団体の営業秘密を侵害する。党の方針が他の政治勢力や諸外国に明らかになる」と否定的な認識を示した。二階氏本人への使途確認についても「確認するまでもなく、適切に使用されていると認識している」と拒んだ。
 岡田氏は、清和政策研究会(現安倍派)の裏金に関し「20年以上前からとの話もある」として、会長を務めた森喜朗元首相を自民の聞き取り調査の対象に入れるよう要求。首相は「聞き取りを進める中で判断していく」と述べるにとどめた。岸田派の収支報告書の不記載を巡り、過去にさかのぼった調査を求められ「確認できる範囲で最大限努力する」と説明した。
 立民の井坂信彦氏は、裏金を領収書のない飲食費に充てたと説明した自民議員を例示し「政治活動費と認めて非課税にして良いのか」と非難。首相は「検察は処理すべきものは厳正に処理した。課税は国税庁などが判断すべき課題だ」とした。
 公明党の高木陽介氏は、議員も連帯責任を負う規正法への連座制導入を主張。首相は「対象の政治団体の範囲や違反の種類について丁寧な議論が必要だ」と指摘した。安倍、二階両派幹部の政治倫理審査会への出席を巡っては「どのような説明責任を果たすかは国会で判断いただく」と語った。
 5日の予算委で2024年度予算案が実質審議入りした。

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