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24年度報酬改定 初診・再診料 6月から上げ 窓口負担 最大219円増

 厚生労働省は14日、医療機関の収入に当たる診療報酬の2024年度の改定内容を決めた。看護師ら医療従事者の賃上げ原資を確保するため、初診や再診、入院時にかかる基本的な診察料金を幅広く引き上げる。初診料は原則2880円から30円増やし、一部の診療所で最大700円を上乗せする。上げ幅は最大730円。自己負担が3割の患者が窓口で支払う額は9~219円増える。24年6月から実施。全ての患者で初診料を引き上げるのは消費税増税時を除き04年度以来20年ぶり。

診療報酬改定と患者負担のイメージ
診療報酬改定と患者負担のイメージ

 政府は昨年末、診療報酬のうち人件費に相当する「本体」部分を0・88%引き上げると決定し、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)が個別の価格を答申した。賃金を底上げするベースアップを2%以上実施し、人材確保を図る。
 初診料は全ての医療機関で30円増の2910円となる。さらに病床のない診療所が看護師ら職員のベースアップを行う場合、60~700円を上乗せする仕組み。上乗せ額は職員や患者数などに応じて設定する。初診料を受け取る回数や患者数が少ない施設は上乗せ額が増える。離島など「へき地」の住民や、治療が長期化する人工透析の患者は初診時の負担が重くなる可能性がある。再診料も一律で20円増の750円となり、同様に最大100円上乗せする。3割負担の窓口支払額は6~36円増える。
 病床のある診療所や病院も初・再診料の引き上げや、上乗せの仕組みの一部が対象となる。入院基本料は病棟の種類に応じて50~1040円引き上げた上で、患者1人当たり1日10~1650円を追加する。
 オンライン診療などデジタル化も推進。マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を治療に活用した場合は初診時に80円を加算し、3割負担の患者は24円を支払う。ただ10月以降はマイナ保険証の利用率が低ければ受け取れない。
 生活習慣病の一部は報酬を引き下げ、医療費を抑制。軽症や中等症の高齢者の入院が増える中、早期退院に向けたリハビリを担う「地域包括医療病棟」を新設し1人当たり1日3万500円の入院料を支給する。

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