テーマ : 新聞一面掲載記事

大自在(1月28日)黄金世代

 1999年のサッカーのワールドユース選手権(現U―20W杯)で準優勝した日本代表。出場した清水商高(現清水桜が丘高)出身の小野伸二さんや清水東高出身の高原直泰さん、昨年までジュビロ磐田でプレーした遠藤保仁さんらは「黄金世代」と称され、日本サッカーの発展を支えた。
 日本代表で国際Aマッチ歴代最多152試合出場を誇る遠藤さんだが、苦しい時もあった。2000年シドニー五輪は代表落選。バックアップメンバーで帯同し、試合はスタンドから観戦した。
 「見るのはつらかった。なんでこんなところにいるんだ」と自著「変えていく勇気」(文芸春秋)で振り返っている。この悔しさが、長きにわたって代表で活躍する力となったのだろう。
 3人はそろって昨季限りで現役を退き、黄金世代もJリーグからいなくなった。今、黄金世代が熱いといえば女子の卓球だろう。00年生まれの早田ひな、平野美宇(沼津市出身)、伊藤美誠(磐田市出身)の3選手。
 パリ五輪女子シングルス代表は2人で、全日本選手権が選考レース最終戦。早田選手は既に代表入りを確実にしていたため、残り1枠を平野、伊藤選手の静岡県勢同士が争った。残酷に思えるが、スポーツの厳しさと言うしかない。パリへの切符は平野選手が手にした。
 伊藤選手が五輪初出場した16年リオデジャネイロで、忘れられない場面がある。練習会場で黙々と球拾いをしていた平野選手。補欠として日本代表をサポートした。21年東京大会は、早田選手が補欠だった。苦い経験を乗り越え、今がある。

いい茶0

新聞一面掲載記事の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞