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大自在(2月5日)プロ野球

 プロ野球は11球団がキャンプインし、3月29日のレギュラーシーズン開幕に向けて始動した。残る西武も6日に予定する。今季は静岡市を拠点とするくふうハヤテベンチャーズ静岡の2軍ウエスタン・リーグへの参入もある。例年にも増して開幕を楽しみにしているファンは多いだろう。
 日本最初のプロ野球チームは1920年設立の日本運動協会だが、23年の関東大震災の影響で解散。その後、34年の大日本東京野球倶楽部(現巨人)を皮切りに計7チームが相次ぎ設立され、36年2月5日に国内初のプロ野球リーグ、日本職業野球連盟が発足した。2月5日は後に「プロ野球の日」と定められた。
 発足当時は六大学野球の人気が絶大で、プロ野球を「職業野球」と蔑視する風潮もあったという。しかし、史上最多タイのノーヒットノーラン3回を記録した沢村栄治らが活躍し、高い技術を見せることでファンを増やしていった。
 45年は太平洋戦争の戦況悪化により中止されたものの、翌年に再開。戦後はさまざまなスターが生まれて今日の発展を築いた。
 価値観の多様化によりプロ野球人気の陰りも指摘される。だが、昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や38年ぶりの阪神日本一の盛り上がりから根強いファンの存在が分かる。
 大谷翔平選手に代表されるように、日本の有力選手が米大リーグに移籍して活躍することも珍しくなくなった。選手の“流出”を嘆く声はあるが、そうした選手を次々と生み出す日本プロ野球の魅力が、簡単に色あせることはないだろう。

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