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一般会計1兆3160億円 静岡県24年度予算案、6年ぶり減 革新事業枠で未来へ投資

 静岡県は13日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は23年度当初比で543億円減(4・0%減)の1兆3160億円で、新型コロナウイルス感染症対策の縮小などで6年ぶりに減少した。コロナ対策を除く実質ベースでは23年度当初比1・2%増。円安や物価高、デジタル化加速などの社会変革期に、持続可能な暮らしの構築や未来への投資の旗印として新たに「イノベーション枠」を設けた。能登半島地震を受けた災害対策の拡充や、国に呼応した子ども・子育て支援など人口減少対策も盛り込んだ。
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 県総合計画「県の新ビジョン後期アクションプラン」を骨格に編成した。イノベーション枠は、指定テーマを設ける従来の「重点課題推進枠」とは別に、先進性のある挑戦的な取り組みを予算化した。着実に推進するため複数年にわたる予算を確保し、人員も配置する。7部局の八つの取り組みに計約2億5千万円を計上し計9人を増員する。
 県が全国をリードする3次元点群データを活用する「次世代エアモビリティ導入促進事業」は、「空飛ぶクルマ」のロードマップ策定に着手し、国内で先導的なエリアを目指す。IT企業などで活躍できるデジタルクリエーター育成や、県内高校生を対象に未来の起業家の育成も始める。デジタル技術を使ったバーチャルスクール開設やインフラメンテナンスも進める。
 能登半島地震で問題視された孤立化対策など防災対策には総額99億円超を充てる。子ども・子育て支援は前年度比35億円増(3・9%増)の922億円を投じる。不妊治療の先端医療費助成制度を創設して、全県で展開する。国に先行して男性の育休取得も促進する。
 一般会計の歳入は、柱となる県税が前年度比80億円増(1・6%増)の4970億円。半導体不足解消や円安による企業収益増加で法人2税が伸びた。円安による輸入取引額の減額で地方消費税は減少を見込む。臨時財政対策債が半減し、実質的な地方交付税は3・6%減の1965億円。新型コロナ感染症緊急包括支援交付金の終了などで国庫支出金は34・8%減の1288億800万円とした。
 歳出では沼津駅周辺鉄道高架事業の本格化などによる国直轄事業や企業立地増に伴う県単独事業の増加で投資的経費は4・5%増の1951億3300万円。後期高齢者医療給付費負担金や子ども・子育て支援給付費負担金が増し、義務的経費も1・5%増の6485億2200万円とした。地方消費税減少で税収関連法定経費は0・8%減の2353億9600万円。
 11特別会計と5企業会計を合わせた24年度予算総額は前年度を36億8千万円(0・2%)下回り、2兆2864億1200万円となった。
 (政治部・青島英治) photo03

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