⚾前島（島田商）３安打５打点の猛打　プロ注目岡村（静岡学園）姿消す　高校野球静岡大会１回戦

島田支局　池田悠太郎

静岡学園－島田商　４回裏１死一、二塁、島田商の前島が逆転の３点本塁打を放つ＝島田球場

　▽１回戦（島田第１試合）
静岡学園
０００１０００００―１
０００３０００３×―６
島田商
▽本塁打　前島（島）
▽二塁打　竹本、前島（島）▽暴投　高畑（島）
▽試合時間　２時間１分

　【評】島田商が好機で着実に得点する試合巧者ぶりを見せ、静岡学園を下した。
　島田商は四回、失策が絡み先制点を献上したが、その裏に前島の３点本塁打で逆転。八回にも前島の適時二塁打などで３点を追加し、勝負を決めた。
　静岡学園は得点圏に走者を進めたが、あと１本が出なかったのが響いた。
　春の悔しさ晴らす
　春の県大会でスタメン落ちを経験した前島が大仕事をやってのけた。四回に公式戦初の本塁打で口火を切ると、３安打５打点の猛打賞。春の悔しさを夏の舞台で晴らした。
　静岡学園の先発はプロ注目の左腕岡村。苦戦が予想された中で四回に失策が絡み痛恨の先制点を献上した。裏の攻撃では先頭の中山が出塁するもけん制挟殺。悪い流れを絶ちきったのが前島だった。
　１死一、二塁。「打点をとる」と強気で打席に立った。ファウルなどで追い込まれてから「コンパクトな振り」を意識した前島は、インコース低めの直球をうまく合わせて左翼に運んだ。
　打撃不調でスタメンを外された春の悔しさを忘れなかった。スローボールを打ち返しタイミングを計る練習を徹底。６月末から復調の兆しが見え始めた。「夏の本塁打は目標だったのでうれしい」と顔をほころばせた。
　横山監督は「腐らず弱点を磨いてきた努力の結果。流れを呼び込む大きな１本だった」と成長をたたえた。
静岡学園　岡村が悔し涙
　プロ注目の岡村を擁する静岡学園の夏が幕を閉じた。「もう少しこの仲間と野球がやりたかった」。岡村は人一倍責任を感じ、人目をはばからず涙した。
　長短打を巧みに打ち分け、５０メートル５秒９の俊足が強みの岡村。抜群の身体能力でけん引する大黒柱もこの日は投打で振るわなかった。「今までで一番力のあるチーム。勝てる自信があった」と目を真っ赤にして悔しがった。
　今後は大学進学を視野に入れ、打者１本に専念する。「自分の武器を伸ばしてプロ入りを目指したい。目標はイチロー選手」。４年後を見据え、気持ちを切り替えた。