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⚾開誠館 大声援 熱狂「120%」 「浜松魂」21年ぶり甲子園へ

 3時間を超える炎天下の熱戦に終止符が打たれると、声援を送り続けた草薙球場(静岡市駿河区)のスタンドから拍手と歓声が沸き上がった。第105回全国高校野球選手権記念静岡大会決勝は29日、浜松開誠館高が東海大翔洋高を破って初の甲子園出場を決めた。「よく頑張った」「甲子園でも県代表に恥じない戦いを」―。栄冠を手にした選手らに、祝福と激励の声が寄せられた。

応援スタンドで赤いメガホンを手に声を張り上げる浜松開誠館高の生徒ら=29日午後、静岡市駿河区の草薙球場
応援スタンドで赤いメガホンを手に声を張り上げる浜松開誠館高の生徒ら=29日午後、静岡市駿河区の草薙球場

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 生徒や保護者、卒業生らを引っ張った応援団長の3年生野宮暖斗さん(17)は「コロナ禍の影響で校歌を初めて歌う人も多く大変だった。号令を出してみんなの大きな声がそろうよう心がけた」と話し、甲子園でも「120%で応援を送る」と誓った。
 昨年まで同校野球部に所属した大学1年の森大侑さん(18)は京都から駆け付け、コロナ禍の在学中にはできなかった声出し応援で選手の背中を後押し。「しんどい思いをしながら苦労して練習を重ねてきた選手の努力が報われてほしい」と、後輩への思いを込めて声を張り上げた。
 野球部には浜松市の北クラブソフトボールスポーツ少年団のOBも多く、キャプテンの中木原大地君(12)は「甲子園にも応援に行く。自分も将来は開誠館で甲子園に出たい」と夢を膨らませた。
 2018年に父母会の会長を務めた新井和美さん(54)は、県外出身選手が住む寮となるアパートを用意するなど野球部のサポートを続けてきた。「地元と県外出身の選手がうまく融合したチームになった。甲子園への思いが強く、大舞台で腹をくくって勝負してくれた」。長年の努力を結実させた選手の頑張りに感無量の表情を浮かべた。  OB、商店主ら「盛り上げたい」  浜松開誠館高(浜松市中区)が初優勝し、同市内から21年ぶりに夏の甲子園出場が決まった。今月開催された社会人の第94回都市対抗野球大会で33年ぶりに決勝進出し、準優勝したヤマハ(同区)に続く朗報に、地元の商店主や同校OBらから祝福やエールの声が相次いだ。
 市内の高校から夏の甲子園に出場するのは2002年の興誠高(現浜松学院高)以来。市中心部の商店街でつくる浜松商店界連盟の御園井智三郎会長(62)は「久しぶりの快挙。街中には野球経験のある商店主が多い。みんなで話題づくりをして盛り上げたい」と祝福した。
 開誠館高の前身・誠心高出身の渡辺友紀子事務局長(45)も「母校の快進撃にうれしい」と喜んだ。決勝戦は元日本楽器(現ヤマハ)野球部監督で2月に亡くなった父・久さんの遺影とともにテレビ中継を観戦。「ヤマハのように一つでも多く勝ち上がってほしい」とエールを送った。
 開誠館高の佐野心監督は浜松商高(同区)出身。1993年の春の選抜に同校メンバーとして出場し、現在は街中で居酒屋「香穏」を営む鈴木雅之さん(48)は、開誠館高の戦いぶりを振り返り「機動力を生かした展開や粘り強さ、最後まで諦めない姿勢に浜商イズムを感じた」と語る。4回戦で母校を下して甲子園の切符を手にした開誠館高に、「浜松魂を持ち、一戦必勝で頑張って」と力を込めた。  市民に勇気と感動  中野祐介浜松市長のコメント 接戦を勝ち抜き、多くの素晴らしい試合を見せてくれた。勇敢に戦う姿勢は市民に勇気と感動を与えた。甲子園でも活躍してくれることを期待している。

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