テーマ : 高校野球 静岡

⚾浜松開誠館猛進 サヨナラ初決勝 全国高校野球静岡大会準決勝

藤枝明誠―浜松開誠館 9回裏浜松開誠館無死満塁、新妻が投手を強襲する右前適時打を放ち試合を決める=草薙球場(写真部・坂本豊)
藤枝明誠―浜松開誠館 9回裏浜松開誠館無死満塁、新妻が投手を強襲する右前適時打を放ち試合を決める=草薙球場(写真部・坂本豊)
1回裏浜松開誠館2死一、二塁、本塁打を放つ加藤
1回裏浜松開誠館2死一、二塁、本塁打を放つ加藤
力投する藤枝明誠の寺下(右)(写真部・宮崎隆男)
力投する藤枝明誠の寺下(右)(写真部・宮崎隆男)
9回裏にマウンドで話す藤枝明誠の寺下(右)と皆川
9回裏にマウンドで話す藤枝明誠の寺下(右)と皆川
9回裏浜松開誠館無死満塁、新妻が投手を強襲する右前適時打を放ち試合を決める(写真部・坂本豊)
9回裏浜松開誠館無死満塁、新妻が投手を強襲する右前適時打を放ち試合を決める(写真部・坂本豊)
藤枝明誠―浜松開誠館 9回裏浜松開誠館無死満塁、新妻が投手を強襲する右前適時打を放ち試合を決める=草薙球場(写真部・坂本豊)
1回裏浜松開誠館2死一、二塁、本塁打を放つ加藤
力投する藤枝明誠の寺下(右)(写真部・宮崎隆男)
9回裏にマウンドで話す藤枝明誠の寺下(右)と皆川
9回裏浜松開誠館無死満塁、新妻が投手を強襲する右前適時打を放ち試合を決める(写真部・坂本豊)

 ▽準決勝(第1試合)
藤枝明誠  000000330―6
浜松開誠館 310100002x―7
▽本塁打 加藤(浜)
▽二塁打 山田竣、寺下、小沢(藤)深谷2(浜)▽暴投 寺下(藤)松井(浜)▽ボーク 松井(浜)
▽試合時間 2時間34分


 【評】浜松開誠館が藤枝明誠に一時逆転されたが、九回に追い付きサヨナラ勝ちした。
 浜松開誠館は初回に加藤の3点本塁打で先制。深谷の適時打2本で5点をリードした。だが七、八回に、継投策が裏目に出て計6失点。1点を追う九回、先頭が死球で出て、続く深谷は相手野手が打球を見失って二塁打となり、広崎の適時打で同点。なおも無死満塁から新妻が投手強襲の右前打を放った。
 藤枝明誠は小沢の適時打2本などで終盤に6得点したが、逃げ切れなかった。

新妻ミス挽回 意地の一打 「何が何でも」
 右翼へ抜ける打球を目で追い、浜松開誠館の新妻は何度も拳を握り締めた。八回に自らの失策で同点とされた責任を感じ、九回無死満塁の打席に立っていた。「最後は自分がかえすしかない」。意地の一打は、チームを初の決勝へと導くサヨナラ打となった。
 藤枝明誠の反撃に遭い2点差に詰め寄られて迎えた八回の守備。無死満塁から二ゴロでホームゲッツーを狙ったが、「思った以上に打者走者が進んでいて焦ってしまった」と一塁への転送が悪送球に。一気に同点とされ、その後逆転も許した。
 思わずがっくりと肩を落とした。だがそんな新妻を救おうと仲間が奮起。土壇場で試合を振り出しに戻し、絶好の場面を最後に用意してくれた。
 「流れを悪くしてしまった自分を助けてくれた。何が何でも打つ」。新妻は追い込まれながら外角の直球に食らい付き、打球は相手投手のグラブをはじいた。三走の生還を確認すると「言葉にできないうれしさ」が込み上げた。
 佐野監督は「野球に対する姿勢がチームで一番強く、全員が尊敬する選手。その彼に回り、分があると思った。よく打ってくれた」と執念の一打に目を細めた。劇的勝利で残すは決勝のみ。初の甲子園が見えてきた。(運動部・吉沢光隆)

左打者が大仕事 加藤が先制弾 誕生日の深谷2打点
 浜松開誠館の左打者が大きな仕事を果たした。好投手相手に先制点がほしい初回。右翼ポール際に3ランを放った加藤は「甘めのチェンジアップに反応できた」と、自身高校初の一発を誇った。
 先制パンチで打線が活発化した。二回にはこの日誕生日の深谷が左前に適時打を放ち4点目。四回にも適時二塁打で追加点を挙げ「当てに行かずにしっかり振り切れた」。
 1点を追う九回には広崎が右前へきれいにはじき返し同点とした。「特に何か変えることはなく、力が入り過ぎないように意識した」と貴重な一打を冷静に振り返った。
 決勝の相手、東海大翔洋は主戦小根沢ら複数の左腕を擁するが不安はない。加藤は「初回から攻め、試合が終わるまで全員で全力を出し切りたい」と意気込んだ。

藤枝明誠 非情な幕切れ エース寺下「やりきれた」
 非情な幕切れだった。九回裏、1点をリードして最後の守備に向かった藤枝明誠のエース寺下は、同点とされてなお無死満塁のピンチに対峙(たいじ)していた。相手の主砲に投じた渾身(こんしん)の直球がはじき返され、打球は寺下のグラブをはじいてライト前に転がった。
 初回に先発牧野が3ランを被弾。コールド負けも頭にちらつく展開だった。だが終盤、反転攻勢に出た。七、八回に相手救援陣の不安定な立ち上がりを攻めて6得点。終盤の逆転で光明が差したかに見えた。だが直後に暗転。「誰の責任でもない。これが野球。選手は持っている力以上のものを出してくれた」と光岡監督は言う。
 寺下は「やりきれたという思い」と潔く前を向いた。だが悔しさは忘れない。最速146キロの右腕は「大学で155キロを出してプロを目指す。三振を取れる、勝てるピッチャーになりたい」と目標を胸に刻んだ。

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