⚾浜松修学舎　下田に競り勝つ　高校野球静岡大会１回戦

運動部　吉沢光隆

浜松修学舎―下田　粘りの投球で８回途中まで２失点に抑える好投を見せた浜松修学舎の田中＝草薙球場（写真部・久保田竜平）

浜松修学舎―下田粘りの投球で８回途中まで２失点に抑える好投を見せた浜松修学舎の田中（右）。６回裏に同点とされたがマウンド上で鈴木春と笑顔で握手を交わす＝草薙球場（写真部・久保田竜平）

　▽１回戦（草薙第３試合）
浜松修学舎
００１００１０１０―３
０００００２０００―２
下田
▽二塁打　鈴木虎、佐藤（浜）渡辺２、岩崎（下）▽野選　岩崎（下）
▽試合時間　２時間２６分

　【評】浜松修学舎が下田との終盤までもつれる接戦を制した。
　浜松修学舎は先発田中の丁寧な投球から攻撃に流れが生まれ、三回に先制。六回には原村の適時打で追加点を挙げた。一時は同点とされたが、八回に田中が自らスクイズを決めた。
　下田は六回に高田の犠飛と渡辺の適時二塁打で追い付いたが、一歩及ばなかった。
　春に野手から転向　田中が投打で活躍
　５月から投手を始めたとは思えない、堂々のマウンドさばきだった。公式戦初登板の浜松修学舎の先発田中は、持ち前の制球力で下田打線を翻弄（ほんろう）。「打たれて当たり前の気持ちで投げ、ピンチでも抑えることができた」と納得の投球を振り返った。
　元々は内野手。今春就任した元プロ野球中日投手の小島弘務コーチに可能性を見いだされ、本格的に取り組むようになった。器用なタイプで複数の変化球もすぐに会得。この日も手元で微妙に動く球で芯を外し、８回途中を２失点にまとめた。
　同点で迎えた八回の好機には打でも貢献。藤崎監督から「今日はおまえの日だ」と送り出され、試合を決めるスクイズを成功させた。殊勲の右腕は「（最後の夏に）マウンドにいるとは想像していなかった。次は完投したい」と力強く語った。