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⚾全国高校野球静岡大会 2回戦注目試合まとめ 常葉大橘、静岡を撃破/日大三島 関野が1安打完封/静岡市立 打線奮起/磐田西 継投で逃げ切る

 第105回全国高校野球選手権記念静岡大会は21日、草薙など4球場で3回戦8試合を行います。注目の2回戦4試合をまとめてお届けします。

常葉大橘、静岡を撃破 photo01 延長タイブレークで静岡に勝利し、喜ぶ常葉大橘の市川(右)=草薙球場(写真部・宮崎隆男)


 ▽2回戦(草薙第1試合)
 常葉大橘
 0200000002-4
 0100001001-3
 静岡
(延長10回タイブレーク)


市川 ピンチで渾身の直球
 「打たれたらしょうがねえ」。一打サヨナラの延長十回裏1死満塁。開き直った常葉大橘のエース市川は108球目、渾身(こんしん)の直球を迷うことなく投げ込んだ。打球は遊撃正面へ。二塁封殺後、送球がファーストミットに収まった瞬間、「興奮しすぎて覚えていない」ほどの喜びが体を駆け巡った。
 十回表に自らの2点適時打で楽になったつもりだったが、名門静岡の重圧は想像以上だった。タイブレークで先頭に中前へ運ばれ1点を献上。直後のセーフティースクイズは間一髪アウトになったが次打者に安打を許し、窮地に立った。
 「負ける」。弱気に襲われた瞬間、内野陣が駆け寄った。仲間が口々に言った。「おまえで負けたら納得だ」。その言葉で、頭の中が整理された。「(狙って)投げるところもないし、思い切り腕を振るだけでいい」
 ぎりぎりでつかんだ勝利。「心臓が飛び出るほどの思い。ここまでやってきて良かった」。激戦を経て、真のエースへと駆け上った。
(運動部・吉沢光隆)

日大三島、関野 1安打完封 photo01 知徳―日大三島 知徳打線を完封した日大三島の関野=あしたか球場(東部総局・田中秀樹)


 ▽2回戦(あしたか第1試合)
 知徳 
 000000000―0
 00000020×―2
 日大三島


低め意識「打たせて取る」 連覇へ好発進
 日大三島の左腕関野が、知徳を1安打完封し、夏連覇に向けて好スタートを切った。七回までは無安打無得点。「低めの変化球を意識して投げ切れた」と自信を深めた。
「七回に入ってノーヒットノーランを意識した」という関野。八回、先頭打者に安打を許したが、低めの変化球を決め球に、その後も動じなかった。
今春から2年生ながら背番号1を背負う。重圧と緊張からか、前日に投げ込んだ40球はほとんどストライクが入らなかった。帰宅後、普段はしないシャドーピッチングで投球動作を確認したことが功を奏した。
 公式戦初完封にも「死球や抜けた変化球をなくしたい」と課題を口にする。「野手に助けてもらった。打たせて取るピッチングができた」と仲間への感謝も忘れなかった。
(東部総局・天羽桜子)

静岡市立 打線が奮起 photo01 富士市立―静岡市立 4回裏1死二塁、静岡市立の横山が左越えに適時二塁打を放つ=富士球場


 ▽2回戦(富士第1試合)
 富士市立
 100000000―1
 10211000×―5
 静岡市立


横山 サイクルあと一歩
 静岡市立の主将横山はサイクル安打に迫る大活躍だった。1番打者で「普段は単打と俊足が自分のスタイル」というが、この日は3安打とも長打。「勝ちたいという思いがバットに乗った」と振り返った。
 初回に三塁打で先制の起点をつくると、三回に低めの変化球を左翼席に運び、自身公式戦初の本塁打をマーク。四回には適時二塁打を放ちサイクル安打にリーチをかけた。チームメートからは「狙えるんじゃないの」と声をかけられたというが第4打席は冷静に四球を選んだ。「主将として精神面でもプレー面でもチームを引っ張れた」と晴れやかな表情を見せた。
 安井監督は「大会前に打てない時期が続いたが、持ち前のポジティブ思考で乗り越えてくれた。チームの緊張を吹き飛ばすような振りだった」とたたえた。
(富士支局・沢口翔斗)

磐田西継投 逃げ切る photo01 磐田西―湖西 6回から登板し好救援した磐田西の鈴木=焼津球場


 ▽2回戦(焼津第1試合)
 湖西 
 010000201―4
 10000310×―5
 磐田西


2番手鈴木 好救援 先発負傷で緊急登板
 磐田西は同点で迎えた六回、榊原と佐治の中軸の連打で3点を挙げ、主導権を握った。投げては先発宮本が負傷交代するアクシデントを受け、六回から緊急登板した左腕鈴木が粘りの投球で好救援した。
 六回1死一、二塁、榊原は3球目の内角直球を振り抜き、打球は左翼手の頭上を越えた。「けがをした宮本の分まで絶対に打ちたかった」。チームの打撃練習メニューを考案する“打撃リーダー”が、勝負どころで貴重な追加点をたたき出した。続く佐治も左翼への適時打でクリーンアップの役割を果たした。
 2番手鈴木は毎回走者を背負いながらも、力強い直球と緩い変化球を丁寧にコースに投げ分けた。「球の伸びと切れ、制球は今までにないほど良い感覚だった」とうなずいた。
 次戦の相手は強豪・東海大翔洋。榊原は「どんな相手でもやることは変わらない。打撃でチームを引っ張りたい」と言葉に力を込めた。
(藤枝支局・青木功太)

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