⚾藤枝明誠　１２点完勝　御殿場南は初８強届かず　全国高校野球静岡大会４回戦

御殿場南―藤枝明誠５回表藤枝明誠１死二塁、寺下が適時打を放ってリードを広げる＝清水庵原球場

御殿場南―藤枝明誠　１回表藤枝明誠１死一、二塁、寺下が先制適時打を放つ＝清水庵原球場

御殿場南―藤枝明誠　初の８強に届かず悔しさをにじませる御殿場南ナイン＝清水庵原球場

　▽４回戦（清水庵原第１試合）
藤枝明誠
２０００３０２０５―１２
０００１０００００―１
御殿場南
▽三塁打　一瀬（藤）▽二塁打　川崎、川上（藤）▽暴投　西島（御）
▽試合時間　２時間２分

　【評】藤枝明誠が着実に加点して御殿場南に完勝した。
　藤枝明誠は寺下が初回に先制打、五回も適時打を放つなど３安打２打点。七回は徳味の２ランスクイズ、九回は一瀬の三塁打など５長短打で５得点した。
　御殿場南は四回、鈴木の中前打から余田の内野ゴロで１点差に迫ったが、ミスも絡んで大量失点した。

　絶好調３戦９打点　エースで４番寺下　３安打
　大黒柱のバットが止まらない。藤枝明誠は４番寺下が先制、中押しの適時打を含む３安打２打点。初戦から３試合で１２打数９安打９打点の大当たりに「際どいコースや変化球攻めをされても、甘い球を仕留められている」と力強くうなずいた。
　特に大きかったのは初回の一打。１死一、二塁で御殿場南のアンダースロー長沢の初球のカーブを右前へ運んだ。光岡監督も「前半は打ちあぐねる」と警戒した中で最初の好機をものにし、マウンドでも「自分で打って乗った」と７回を２安打１失点と好投した。
　準々決勝で第１シード加藤学園に挑む。秋の練習試合、春の県大会とも敗れはしたが、春は計６回⅓を３失点でまとめ「試合はつくれた」と収穫はあった。「投げるのも打つのも好き。どちらかと言われれば好調な方」というエースで４番。今は投打とも確かな手応えがある。
　初８強届かずも「御南旋風」鮮烈
　初の８強には届かなかったが、大会に旋風を起こした。御殿場南は約半世紀ぶりに踏んだ４回戦の舞台で、強豪の藤枝明誠にもひるまず９回を戦い抜いた。
　１４安打され１２失点。それでも四回に鈴木の安打から１点を返し、終盤は遊撃手横田の好守でコールドの危機を脱した。諏訪部監督は「試合ごとに成長した。次はどんな姿を見せてくれるか楽しみだった」と目を細めた。
　主戦長沢は３回戦まで全て完投。「歴史を変えるために来た」という入学時の言葉を、史上初の夏３勝で実現したエースは「仲間の支えでここまで来られた。後輩には自分たちを超えてほしい」とすがすがしかった。

　