⚾浜松開誠館 甲子園１勝！静岡県勢５年ぶり白星 新妻逆転パワー弾 全国高校野球選手権大会
全国高校野球選手権大会第５日は１０日、甲子園球場で３試合が行われ、初出場の浜松開誠館は東海大熊本星翔を５―２で破り、１回戦を突破した。
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【評】浜松開誠館が中盤に逆転し、東海大熊本星翔を下した。
浜松開誠館は初回の守備で、先頭百崎の二塁打に失策が絡んで先制を許し、二回にも３連打で１点を失った。２点を追う三回、死球で出塁した近藤を三塁に置き、広崎が右翼線へ適時二塁打を放って１点を返し、五回には２死一塁で新妻が左翼席に２点本塁打を放ち逆転した。八回には深谷の２点適時打が飛び出した。
先発近藤は序盤に２点を失ったが、その後は立ち直り、要所を締めた。七回２死一、三塁のピンチに救援した広崎は１球で後続を断った。
▽１回戦（８時、１００００人）
東海大熊本星翔 １１０００００００―２
浜松開誠館 ００１０２００２×―５
▽本塁打 新妻１号②（玉木）
▽二塁打 百崎＝１回、玉木＝２回、広崎２＝３回、吉松＝８回▽残塁 翔１１開１０▽併殺 翔０開０
▽審判（球）尾崎、三浦、今井、国雲
▽試合時間 ２時間９分（中断４分）
筋トレと中村元コーチ指導 実った４番一撃
この夏初めて先制を許した浜松開誠館。４番の一発が、初の甲子園という緊張感からナインを解放した。「打った瞬間、いったと思った。トレーニングの成果」と新妻。甲子園初勝利という歴史をつくり、満面の笑みで喜んだ。
新妻は直球に振り遅れていたそれまでの２打席の反省を踏まえ、「詰まらないように」と意識。追い込まれながらも甘く入ったスライダーをジャストミートし、強烈なライナーで左翼席へ運んだ。
チームは昨年１１月から本格的にウエートトレーニングを導入。新妻もスクワット２００キロ、ベンチプレス１１０キロまで筋力を鍛え、打ち損じても柵越えにする力が身に付いた。一昨年まで非常勤コーチを務めた中村紀洋氏（現・中日コーチ）の指導も大きかった。打ちにいく際にバットを寝かせ、水平にスイングする教えを実践。「やってきたことが甲子園で発揮できた」と振り返った。
次の相手は初戦で逆転勝ちの北海（南北海道）だが、「うちも勢いがあり、楽しくやるチーム。次もそれを前面に出して戦いたい」と力強い。勝利で得た自信を力に、快進撃を続ける。
近藤の粘り、勝利呼ぶ ７回途中２失点 中盤に修正
浜松開誠館のエース近藤が、粘りの投球で試合をつくった。初出場で緊張感もある難しいマウンド。「最初は高めに抜ける球もあったが、途中から修正できた。楽しかった」と甲子園での初登板を振り返った。
調子は悪くなかったという近藤。警戒する相手の先頭百崎に二塁打を許し、先制点を献上。二回にも３連打で失点したが、「自分のテンポでいこう」と落ち着きを取り戻し、中盤からは低めに球を集めた。
制球のばらつきをなくすため、大阪入り後に投球フォームの足の上げ方をコンパクトにした。体のブレが減ったほか、リリースも安定し、この日は最速１４７キロを記録。緩急を付けたカーブも決まったことで、直球がより生きた。
七回の途中降板には悔しさが残る。「追い込んでからの精度を高め、次はしっかり決められるようにしたい」と気を引き締めた。
広崎 攻守投で貢献 反撃打・強肩で生還阻止、好救援
外野手兼投手の広崎は攻守で大きな存在感を示し、チームの初勝利に貢献した。
「力まずいつも通り」と臨んだ一戦。２点を追う三回にチーム初得点となる右翼線への適時二塁打を放ち、反撃の口火を切った。
六回の左翼の守備では、一打同点のピンチに左前打をバックホーム。ここしかないという好返球で二走を補殺し、相手の流れを断ち切った。七回２死一、三塁の場面で近藤の後を受けてマウンドへ。「初回から準備していたので慌てなかった」と１球で内野ゴロに仕留め、ピンチを脱した。
「調子の良さを本番で発揮できた。初出場で１勝できてうれしい」。大舞台でも動じなかった。
（運動部・吉沢光隆）
浜松開誠館・佐野監督の話
アルプス席を含めて素晴らしいパフォーマンスを見せることができた。（浜松市にゆかりのある）徳川家康のように、一戦一戦力をつけて勝ち上がっていきたい。
浜松開誠館・吉松主将の話（３安打）
まず１勝できてよかった。序盤は打ち崩せなかったが、とにかくコンパクトに振ろうとみんなで話し、しっかり実行できた結果。
浜松開誠館・深谷中堅手の話（八回に２点打）
自分の仕事が果たせた。静岡にもっと勝利を持ってこられるように頑張る。
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