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⚾全国高校野球静岡大会 2回戦注目試合まとめ 御殿場南 32年ぶり夏2勝/三島南 打ち合い制す/掛川西 打線に勢い/浜松開誠館が辛勝

 第105回全国高校野球選手権記念静岡大会は20日、草薙など4球場で3回戦8試合を行います。2回戦の注目4試合をピックアップしてお届けします。

御殿場南 32年ぶり夏2勝 photo01 島田―御殿場南 逆転サヨナラ勝ちを収め、歓喜に沸く御殿場南の選手=島田球場


 ▽2回戦(島田第1試合)
 島田   
 103000100―5
 100021002x―6
 御殿場南


一丸で歓喜のサヨナラ
 サヨナラ勝ちを決めた瞬間、歓喜に沸く御殿場南ナインがベンチから飛び出した。1991年以来の夏2勝。値千金の逆転二塁打を放った中橋は「1人で投げ抜いた長沢に応えることができた」と仲間への感謝の思いを口にした。
 追い付いては突き離される苦しい展開が続いた。長沢は軸足がつりそうになる中、変化球を主体に9回まで1点差で持ちこたえた。
 最終回、先頭打者の渡辺が初球をライト前に運ぶと、「昨日100球バント練習した」という長沢自身がきっちり送りバントを決めた。「中橋に回せば何かやってくれる」。練習が終わっても1人で黙々とバットを振る姿が頭をよぎった。
 続く鈴木が四球を選ぶと、中橋はインコース高めの初球を見逃さなかった。「長沢やみんながつないでくれた打席。自信を持って打てた」と振り返った。
 「仲間同士の信頼が最終盤に勝利を呼び込んだ」と指揮官。32年ぶりの3回戦進出で波に乗るチームは結束力でさらなる高みを目指す。
(島田支局・寺田将人)

三島南 浜名との打ち合い制す 両軍計23安打 photo01 浜名―三島南 7回裏三島南、1死一、三塁、鈴木が勝ち越し打を放つ=富士球場


  ▽2回戦(富士第2試合)
 浜名  
 010110112―7
 30000033×―9
 三島南


鈴木「冷静に」勝ち越し打
 七回に逆転を許しても三島南ナインに焦る表情はなかった。その裏にすぐさま芹沢のスクイズで追いつくと鈴木が適時打を放ち再びリード。鈴木は「接戦の展開は想定内。焦らなかったことが勝因」とうなずいた。
 同点直後の1死一、三塁、鈴木は2球目に甘く入った直球を中前に鋭く返した。「直近数試合の練習試合の展開とよく似ていたこともあり、みんな失点に落ち込まず冷静に打席に立てていた」と振り返る。古谷田監督は「『貯金は使うためにあるもの』と常に指導してきたことが今日の試合に生きた」と語った。
 試合が終了すると、落ち着いた表情からは一転、選手の顔に笑みがはじけた。鈴木は「このチームでまだゲームができることがうれしい。次も接戦をものにする形で勝利をもぎとる」と意気込んだ。
(富士支局・沢口翔斗)

掛川西打線に勢い 静清破る photo01 掛川西-静清 七回表、掛川西の小原風が勝ち越しの2点適時二塁打を放ち、生還を喜ぶ榛葉(右)と落合=掛川球場(写真部・二神亨)


▽2回戦(掛川第1試合)
 掛川西 
 000040200―6
 010003000―4
 静清


公式戦初登板の増井 好救援
 昨夏ベスト4の掛川西と昨夏準優勝の静清の一戦。強豪校対決を制したのは掛川西だった。大石監督が勝因と分析したのは2年増井への継投。公式戦初登板ながら、躍動感ある投球で相手の勢いを抑えた。
 増井は球場整備後の六回、同級生の主戦高橋の足がつり、マウンドに向かった。1死二塁、同点に追いつかれた直後だった。「後ろにいる強い味方を信じた。応援のおかげで力があふれ、ピンチも楽しく投げることができた」。後続を内野フライと三振で打ち取り逆転を許さなかった。
 身長186センチ、体重95キロ。冬季の下半身鍛錬で強い球を投げられるようになり自信がついた。大石監督は「気持ちと体がかみ合い急成長した。3年生を助け、素晴らしかった」とたたえた。
(掛川支局・伊藤さくら)

浜松開誠館 “鬼門”で辛勝 photo01 沼津商―浜松開誠館 6回を無失点に抑えた浜松開誠館の松井=浜松球場(浜松総局・山川侑哉)


▽2回戦(浜松第1試合)
 沼津商   
 000000010―1
 20000000×―2
 浜松開誠館


2年松井 テンポ良く
 第4シードの浜松開誠館が苦しみながらも“鬼門”を突破した。初回に敵失などで2点を奪うも、その後打線は沈黙。八回、沼津商に1点差に迫られたが、最終回は2番手の主戦近藤が3人で仕留めた。
 春の東海大会を制した昨年と、一昨年はまさかの初戦敗退。2020年の代替開催を挟んで4年ぶりの選手権県大会の勝利だった。それでも佐野監督は「全然だめだった」と言葉少なだった。
 収穫は公式戦初先発の2年生左腕松井の好投。「昨夏はスタンドで試合を見て、初戦の難しさを感じた。(試合の)入りを意識した」と松井はテンポの良い投球で五回まで無安打に抑えた。七回途中から救援した近藤は「(連戦の)これから先を考えると助かる。投手全員の力で勝ち上がりたい」と話した。
(浜松総局・大山雄一郎)

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