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⚾浜松開誠館高 初の甲子園で強豪と互角 「野球観180度」改革実る 第105回全国高校野球選手権大会

 兵庫県西宮市の甲子園球場で14日に行われた全国高校野球選手権大会で、北海高(南北海道)との2回戦に臨んだ浜松開誠館高。接戦の末サヨナラで敗れたが、初出場にして全国最多40度目出場の強豪と互角に渡り合った。肉体強化、週休2日、自主性の育成-。プロ野球元中日の外野手で、監督として常葉菊川高(現常葉大菊川高)で甲子園準優勝も経験した佐野心監督(56)が「自分の野球観を180度変えた」改革が実った今夏の戦いだった。

北海高との2回戦でベンチから指示を出す浜松開誠館高の佐野監督=14日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場(写真部・宮崎隆男)
北海高との2回戦でベンチから指示を出す浜松開誠館高の佐野監督=14日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場(写真部・宮崎隆男)


 昨夏の静岡大会は第1シードながら初戦敗退。力のあるチームをつくっても、なかなか甲子園に結びつかなかった。だが指揮官は「卒業した選手たちが多くの事を教えてくれた」と敗戦を無駄にしなかった。
 昨秋の県大会準々決勝で加藤学園高に14安打と打ち込まれて敗れた。この試合を契機に、佐野監督は技術指導から肉体強化に軸足を移した。選手をジムに通わせ、野球の動作につながる部位を強化。効率良く筋肉量を増やすにはトレーニング後の休養が必要となるため、時には週休2日にした。強豪校としては思い切った試みだが、主砲の新妻恭介選手は「打ち損じても柵越えするようになった」と効果に驚いた。
 さらに「数字が私と選手との信頼関係」(佐野監督)というように一つ一つのプレーを点数制にして起用への基準を明確化。本塁打4点、安打1点などと設定された点数をどう獲得するか、選手は自ら考えてプレーするようになった。
 グラウンドでも変化があった。個々のプレーに集中していた昨年に比べ、会話が増え、積極的に意見交換をするようになった。攻守でチームをけん引した吉松礼翔主将は「こういう学校もあるということが全国に伝えられたと思う」と話す。創部26年目で成し遂げた甲子園初出場と初勝利。この日の敗戦も新たな歴史をつくる糧になる。
 (運動部・吉沢光隆)  「市民の心に響いた」 浜松市長  浜松市の中野祐介市長は14日、浜松開誠館高の敗退を受け「最後まで全員野球で戦い抜く姿は市民の心に強く響いたと思う。悔しい気持ちもあると思うが、胸を張って浜松に帰ってきてもらいたい」と選手をたたえるコメントを発表した。

 

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