⚾藤枝明誠、愛工大名電に敗れる　秋季高校野球東海大会・準決勝

運動部　吉沢光隆

　第７６回秋季高校野球東海大会は２８日、岐阜県の長良川球場で準決勝を行った。藤枝明誠（静岡１位）は矢沢蒼大、一瀬友希の適時打などで追い上げたものの、愛工大名電（愛知１位）に６―１０で敗れた。東海地区の来春の選抜出場枠は３校。藤枝明誠に可能性は残るが、微妙な状況となった。

藤枝明誠―愛工大名電　試合が終了し肩を落とす藤枝明誠ナイン＝岐阜県・長良川球場（写真部・宮崎隆男）

藤枝明誠―愛工大名電　６回表藤枝明誠２死二、三塁、２点適時打を放ち一塁に走る矢沢＝岐阜県・長良川球場（写真部・宮崎隆男）

藤枝明誠―愛工大名電　４回裏愛工大名電、藤枝明誠の主将一瀬（４）に励まされる藤枝明誠ナイン＝岐阜県・長良川球場（写真部・宮崎隆男）

藤枝明誠―愛工大名電　２回裏のピンチに、マウンドに駆け寄り藤枝明誠の山田（右）に話しかける皆川＝岐阜県・長良川球場（写真部・宮崎隆男）

▽準決勝（長良川第１試合）
藤枝明誠（静岡１位）　０００００４０１１―６
愛工大名電（愛知１位）１２２１０４００×―１０
▽本塁打　石島（愛）
▽二塁打　山口泰、宍戸２、石見２、竹内（愛）▽暴投　日吉（藤）
▽試合時間　２時間４０分
　【評】藤枝明誠は粘りを見せたものの前半の失点が響き、愛工大名電に敗れた。
　藤枝明誠は先発山田がつかまり、五回を終え６点ビハインドとなった。反撃したい打線は六回、敵失で２点を奪い、なおも好機で矢沢が２点適時打を放ち２点差まで詰め寄った。
　しかし、六回裏に２番手の日吉が５連打を浴び４失点して窮地に。八回に一瀬の適時打、九回に押し出し四球で１点ずつ返したが、後続を断たれた。
藤枝明誠　追い上げ届かず　序盤の大量失点響く
　ロースコアの接戦で食らいつき、後半勝負に持ち込むゲームプランが早々に崩れた。藤枝明誠は四回までに愛工大名電に６点差をつけられる厳しい展開。一時２点差まで詰め寄ったが直後に突き放され、光岡監督は「勝てば甲子園が現実味を帯びるという（選手の）意識をとってやれず、入りが苦しくなってしまった。監督の責任」。大一番を落とし、ナインと一緒に肩を落とした。
　先発山田が初回からつかまった。「低めを拾われ、外角も逆方向へ運ばれた」と際どい球も捉えられた。三回には相手の４番石島に２点本塁打を浴び、代わった日吉もその後失点して点差が広がった。
　反撃は見せた。五回終了後のグラウンド整備中に「過去は忘れ、残りのイニングを頑張ろう」と指揮官から声が飛び打線が奮起。敵失と矢沢の２点適時打で一挙に４得点して持ち直した。だがその裏の４失点で追い上げムードは断たれた。
　初の選抜へ前進したかっただけに悔しさが残る。主将の一瀬は「気持ちの甘さなど課題がたくさんある。冬に鍛え直し、全員で乗り越えなければ」と言葉を絞り出した。
　（吉沢光隆）

２８日の結果（準決勝）
▽岐阜・長良川球場
愛工大名電１０―６藤枝明誠
豊川６―５宇治山田商

　▽準決勝
宇治山田商（三重１位）１００００２１０１―５
豊　　川（愛知２位）　０００００１０２３ｘ―６