⚾富士　清水桜が丘に逆転勝ち　遠野、粘って完投　秋季高校野球静岡県大会１回戦

清水桜が丘―富士　最後の打者を打ち取りハイタッチする富士の遠野（中央）ら＝あしたか球場（東部総局・田中秀樹）

　▽１回戦（あしたか第１試合）
　清水桜が丘
　２００１０００００―３
　２１０００１０２×―６
　富士
　▽二塁打　藤田啓、西、平田、赤池（富）▽暴投　岸本（清）、遠野（富）
　▽試合時間　２時間５分

　【評】主戦遠野を打線がもり立てた富士が清水桜が丘に逆転勝ちした。
　富士は２点を追う初回、敵失に乗じて同点に追い付いた。互いに１点ずつを加えて迎えた六回は平田の適時二塁打で勝ち越し。八回に２点を加え、遠野が粘り強く完投した。
　清水桜が丘は中盤以降、打線がつながらなかった。
　イチロー氏の金言　実践
　立ち上がり不安定だった富士の左腕遠野だが、中盤以降にきっちりと修正。時折、小雨の降る中で１１１球を投げ抜いた。攻撃陣もエースの奮闘に呼応し、８年ぶりの県大会で白星を飾った。
　初回は制球が定まらず、先頭から２者連続四球。適時打で２点を失ったが、二回までに味方が３点を奪って逆転した。遠野は「安心感が出た」と援護に感謝し、五回以降はテンポよく投げ込み、１安打しか許さなかった。
　昨年１２月に元大リーガーのイチロー氏が電撃で野球部を指導。「１点に集中しないで周りを見るように指摘を受けた。自分も野手を見るように意識した」と金言を実践した。
　六回に勝ち越し打を放った１年の平田は「内角に入ってきた変化球を捉えた。遠野さんを少しでも楽にしたかった」と喜んだ。
　次戦は今夏優勝の浜松開誠館とぶつかる。稲木監督は「夏からの努力を直結させたい」と言葉に力を込めた。
　（東部総局・日比野都麦）