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日本の仲間に「恩返し」プレー オイスカ浜松国際の台湾人留学生 高校野球静岡大会

 支えてくれた仲間のために-。2日に静岡市駿河区の草薙球場で開幕した全国高校野球選手権静岡大会で、オイスカ浜松国際高の台湾人留学生・林承諳[りんしょうおん]選手(3年)が、チームメートとの最後の夏を全力で駆け抜ける。

仲間との最後の夏に挑むオイスカ浜松国際高の林承諳選手(左)=2日午前、静岡市駿河区の草薙球場
仲間との最後の夏に挑むオイスカ浜松国際高の林承諳選手(左)=2日午前、静岡市駿河区の草薙球場

 日本文化に興味があり、同校に在学していた地元の先輩にも勧められて入学を決めた。だが2021年春、新型コロナウイルス禍で渡航できず。入学後1年は母国からオンライン授業を受け、野球は地元の高校の練習に参加しながら技術を磨いた。
 来日が実現したのは22年春。ようやく日本でプレーできると興奮した。同時に、異国で生活する不安にも襲われた。「チームの輪に入れるのかな」。緊張で合流時のことは覚えていないという。
 だが、チームメートは温かく迎え入れ、生活面でも献身的にサポートしてくれた。林選手は「皆優しくて、いろいろなことを教えてくれた。不安はいつの間にかなくなっていった」と振り返る。言葉の壁や母国を離れる寂しさを乗り越え、挑戦したからこそ出会えた仲間。いつしか彼らのぬくもりが、かけがえのない宝物になった。
 打順は3番、三塁の守備を任されている。ひたむきに取り組む林選手は今や誰もが認めるチームの柱。熊谷紀宏主将(3年)は「プレーで示してくれる。なくてはならない存在」と絶大な信頼を寄せている。
 卒業後は台湾の大学に進み、現地のプロ野球選手を目指す。高校生活を支えてくれた仲間に伝えたい。「守って打って、目標のベスト8に連れて行くよ」。大きな感謝を胸に、白球を追いかける。
 (運動部・吉沢光隆)

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